器を大きくするということ
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リーダーシップの開発や発揮についてサポートをしてきましたが、考え方やスキルではなく、器の在り方というものに関心を持たざるを得ません。
子供だけでなく、大人もいろいろなシーンで、キレている人を見かけます。ホテルやレストランでの対応に、怒っている人。周囲の雰囲気も嫌なトーンにしてしまう。コロナ禍でストレスが溜まっているのか、本人も止まらないという感じでしょうか。
自治医科大の西多先生は、現代人の怒りの表現において、危険なサインがあるとしています。コントロール不能な攻撃的な怒りと、計画されたルールの定まった怒りの2つがあるのだそうです。
動物脳に支配された本能行動でキレてしまう。人間らしい対応で器の小さい自分は回避したいですね。
怒りは、誰でも感じることです。時には、イライラ感が高まって、周囲に嫌な雰囲気を残してしまうような感情の爆発もするでしょう。
「やりすぎちゃったなぁ・・・」本人も後悔することになったりします。でもここで反省をしないで、「スッキリしたぁ」と開き直っては、感情のコントロールができるようにはなりません。
自分のやってしまった行動を受け入れ、反省する。
この反省、前頭葉を鍛えることに通じます。
ウィスコンシン大学のリチャード・デヴィトソン教授は、攻撃性や怒りの最先端研究をしています。実験では、怒りをコントロールできている人の脳波を測定すると、前頭葉の左側の活動性が高いことが報告されています。単純な左脳右脳論ではなく、感情処理について前頭前野と扁桃体の組合せモデルを提唱しています。
怒りを受け入れ反省することは、前頭葉を鍛え、結果として怒りの発信源である扁桃体をコントロールすることに通じているとしています。怒ってしまったことを反省し学習を高めていくことで、感情の暴走をコントロールする脳力のアップに結びつけることが可能のようです。